ほとんどの人は、カフェや駅などでフリーWi-Fiに接続した経験があるでしょう。特に海外旅行に行って現地で電波がない時はフリーWi-Fiはとても便利といえます。また、スポーツ観戦や花火大会など大きなイベントで混雑している際には電波が繋がらなくなることがよくあり、そんな時にフリーWi-Fiは私達を助けてくれるでしょう。
しかしながら、フリーWi-Fiの脆弱性を狙ったサイバー犯罪が年々増加しているのも事実です。サイバー犯罪者達はフリーWi-Fiのちょっとした隙を狙って、個人情報などを盗もうと企んでいます。フリーWi-Fiの中には自分が意図しなくてもうっかり繋がってしまうものもあるので注意が必要です。個人情報漏洩をはじめとするオンライン上での危険に巻き込まれるのを防ぐために必要なのがVPNです。今回は、VPNの仕組みをはじめ、外出先でも安全にフリーWi-Fiを上手に使う方法などを紹介します。
VPNとは?
VPNとは、Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)の略称で、接続することで外部への通信内容や個人情報の流出を防ぎます。具体的にはインターネットを利用するために自宅や公共のWi-Fiに接続する際、インターネット通信をVPNサービスプロバイダーが提供しているVPN専用サーバーを経由することで暗号化し安全性が保たれ、外部から見えないようになり、安心してインターネットが利用できるようになります。
また、VPNサービスプロバイダーによっては世界各国にそれぞれ数百〜数千台ものVPN専用サーバーを保持しています。それらに接続することでユーザーのIPアドレスは、外部からは本来アクセスしている場所ではなく、あたかもVPNサーバーがある場所からアクセスしているように見せかけることができ、本来の位置情報を誰にも知られる心配がありません。
VPNは今から約30年ほど前の1990年代に開発され、当初は企業の拠点間の通信や銀行などで用いられていました。近年はインターネットに接続するスマートフォンをはじめ、タブレット、パソコン、IoTデバイス、ワイヤレスルーターなど、あらゆるデバイスで利用可能になっています。個人情報の漏洩など様々なサイバー犯罪を防ぐ対策として大手企業だけでなく、中小企業、そしてリモートワークの普及によって個人までが使用しはじめているなど、VPNは私達にとって身近な存在といえます。
VPNを使用する際の長所と短所
大企業の顧客情報の流出をはじめ、クレジットカードや銀行口座情報の盗難、なりすましやフィッシング詐欺による金銭的な被害など、オンライン上で起こる犯罪は日々増加しています。このような被害に遭わないためにも個人や企業はセキュリティ対策としてVPNを導入し始めています。ではVPNを使用することでどのようなプラス面やマイナス面があるのでしょうか。ここではVPNを使用する上での長所と短所を紹介します。
長所
セキュリティ面の強化
VPNを使用することでオンライン上のセキュリティを保護することができます。カフェや駅などの公共のWi-Fiの多くはセキュリティ面が脆弱といえますが、VPNに接続することで通信データは全て暗号化されるので漏洩する可能性が限りなく低くなります。
ユーザーの情報が保存されない
多くのVPNプロバイダーは、ノーログポリシーと呼ばれる規約を採用しています。これはVPNに接続した際のオンライン上でのユーザーの行動履歴などをプロバイダーが保存しないことを約束するものです。この規約によって上記の情報が流出する心配がありません。
匿名性を維持
VPNに接続するとIPアドレスは、本来のIPアドレスとは異なるIPアドレスが割り当てられます。なので、本来の居場所とは異なるVPNサーバーがある場所にいるかのように見せかけることができるので、位置情報などをサイバー犯罪者に知られずに済みます。
速度制限を回避
インターネットの利用自体を制限している地域やVPNサービス契約プランによっては、速度制限があることがあります。その場合の解決策としては、別な地域にあるVPNサーバーに接続することで、速度制限されずにインターネットを利用することができます。
短所
料金がかかる
VPNを利用するためにはどうしても多少の費用がかかります。しかしながら現在、サイバー犯罪が身近で頻繁に起こっており、VPNを利用することでオンライン上における安全性をより高く保つことができることを考えると費用対効果は高いといえるでしょう。
接続速度が低下
VPNに接続すると通信データが暗号化され安全性が高まる分、大きな負荷がかかってしまい、接続速度が低下する可能性があります。加えて、ユーザーのいる場所と接続するVPNサーバーの場所が物理的に遠い場合も速度が低下する可能性があります。接続する際は物理的な距離が比較的近いサーバーへ接続するようにしましょう。
古いバージョンが互換性に欠ける
デバイスやルーターのOSのバージョンが古いと互換性に欠ける可能性があります。その場合はVPNアプリをインストールすることができなかったり、不具合が生じてしまうことがあります。新たな問題や脅威の対策のためにもデバイスやルーターのOSやVPNアプリは、常に最新版を使用することをおすすめします。
VPNが使用禁止の国も存在する
大半の国ではVPNは使用できますが、なかにはVPNの利用を制限していたり、VPNを利用すること自体を完全に禁止する国もあるので、海外に渡航する際はその国や地域でVPNが利用できるかどうかを事前に確認しましょう。
フリーWi-Fiを使用する際の注意点
街中にあるフリーWi-Fiはその脆弱性から、しばしばサイバー犯罪者のターゲットになります。なので、利用する際はVPNの使用が必要不可欠といえますが他にも気をつけるべき点がいくつかあります。こちらでは、公共のフリーWi-Fiを使用する際の注意点を紹介します。
パスワードが不要なフリーWi-Fiは要注意
カフェや駅などで接続可能なフリーWi-Fiのなかにはパスワードが不要ですぐに接続できるものも数多く存在しています。しかし、そういったフリーWi-Fiには要注意です。ユーザーの個人情報などを盗むために簡単に接続できるようにしている可能性があります。
Wi-Fiの接続を「手動」設定に切り替え
スマホのWi-Fi設定が自動に接続される状態にしておくと、自分の意図しない時に悪質なフリーWi-Fiに接続されてしまう危険性があります。普段からWi-Fi設定は手動接続に切り替えておきましょう。
機密性の高い情報の入力は控える
フリーWi-Fiはセキュリティ面が脆弱なため、利用する際にはなるべく個人情報やオンラインバンキングなどの機密性の高い情報を入力しないようにしましょう。
フリーWi-Fi利用時の閲覧は暗号化されているサイトのみにする
フリーWi-Fiを利用している時に閲覧するのは「https」からはじまる暗号化されているサイトのみにしましょう。もし、セキュリティが脆弱なフリーWi-Fiを使用して暗号化されていないサイトに訪問した場合、サイバー犯罪の被害に遭う確率が上がってしまいます。
VPNを使用する
Wi-Fiスポットの中には、ウイルスに感染するような悪質なものや安全性の低いものが多いです。外出先でフリーWi-Fiを利用する場合は、必ずVPNを使用しましょう。
まとめ
最近はコロナウイルスパンデミックも落ち着いたことで、日本へやってくる外国人旅行者が増加しています。そういった旅行者向けに観光地はもちろんのこと、鉄道駅などの公共機関を中心にフリーWi-Fiスポットがたくさん設置されるようになりました。しかし、そういったフリーWi-Fiのほとんどはセキュリティ面が甘く通信傍受し放題で、サイバー犯罪者達は人々を騙すために様々な罠を仕掛けています。こういう罠に引っかかってしまうとSNSやオンラインバンキングなどに不正にアクセスされてしまい、パスワードや個人情報が流出し、乗っ取りやなりすましの被害を受けてしまう可能性があります。セキュリティ面が心配なカフェや空港などのフリーWi-Fiを使用することは極力避けるようにし、どうしても使用する必要がある場合はVPNに接続してから利用することをおすすめします。
VPNを使用する際に最も簡単な方法は専用のアプリを使用することです。VPNアプリは、Google PlayやApp Storeなどの公式アプリストアで入手可能です。一度ダウンロードし、設定してしまえば、ワンクリックで簡単に接続することができます。なお、無料のVPNもありますが、セキュリティ面に問題があったり、個人情報が流出する可能性があるのでなるべく避けるようにしましょう。
そして、なかでもおすすめなのがマカフィーが提供するセキュアVPNです。VPN接続は安定感抜群でフリーWi-Fiに接続した際には、IPアドレスやインターネット通信を暗号化するので個人情報保護することができるでしょう。また、一度に最大5台までのデバイスに同時接続できるのも魅力の一つです。このようにフリーWi-Fiに接続する際にVPNを使用することでオンライン上での安全性をより高めてくれるでしょう。