カップル破局後の個人情報に関するトラブル事例と対策を解説

近年は、スマートフォンの普及によって人間同士の接し方に変化が起きています。たとえ、物理的な距離が離れていたとしてもお互いがスマホを保持していることで、まるで近くにいるかのような感覚で気軽に連絡を取り合い、写真や動画などを共有するなど、24時間繋がっていることができるようになりました。また、スマートフォンなどのデジタルデバイスの登場に加えて、InstagramやFacebookなどのSNSの普及も私達の価値観に大きな変化をもたらしました。何年も会っていなかった学生時代の同級生や友人とSNS上で繋がることで、お互いの近況を逐一把握できるようになりました。

しかし、これらソーシャルメディアは、恋人や友人だけでなく、知られたくない相手にまで自分のプライベートな情報が届いてしまうなど、プライバシーや個人情報の管理において、いくつもの問題が山積みといえます。なかでもカップルが別れた後のお互いの個人情報に関する後処理は非常に深刻な問題といえ、これまで個人情報に関連する様々なトラブルが起きています。今回は、カップルが別れた後に起きた様々な事件例をもとにトラブルに巻き込まれないための対策を解説します。

今や、日本人の3人に1人が離婚を経験

人は誰もが生きていれば様々な別れを経験しますが、カップル同士の別れはどの時代でも1つの大きな問題となっています。付き合っている間は、お互いのことを知るために個人情報を共有していますが、ひとたび別れてしまった場合は本当に大変です。スマホやSNSが登場する前の時代に恋人関係を解消する際は、クリスマスや誕生日など2人だけの思い出の品物や写真を処分するだけで済みました。しかし、テクノロジーが発達した現代ではそう簡単にはいきません。まず、2人が映っている写真や動画はもちろんのこと、LINEやSNSでのやりとりなど、他人には絶対に見せられない2人の秘密がオンライン上にあまりにも多いのです。

また、別れるのはカップルだけではありません。厚生労働省の「令和4年度 離婚に関する統計の概況」によると、日本人のおよそ3人に1人が離婚していることがわかりました。円満で2人の関係が終わる夫婦やカップルはほとんどいないことは容易に想像でき、別れを告げられた側にとっては非常に辛く、悲しい時期がしばらく続くことでしょう。そして、別れた後に相手を想うあまりにストーカー行為をしたり、インターネット上に個人情報を公開したり、最悪の場合は殺人事件にまで発展した例が過去にいくつもあります。

破局がきっかけで起きる可能性がある被害

以下では、夫婦やカップルのどちらか片方が納得いかないまま破局を迎えた後に起きる可能性がある被害や事件をまとめました。

SNSやメールの内容を勝手に見られてしまう

もし、別れた相手にSNSやメールなどのオンラインサービスへログインするために必要なIDやパスワードを知られている場合は注意が必要です。相手と円満に別れていない場合、勝手にログインされて内容を見られたり、友人や家族に連絡されてしまう危険性があります。また、相手のプライベートな情報を勝手に見る行為は交際相手や配偶者であっても決して許される事ではないということを頭に入れておきましょう。

ストーカー行為

別れた相手につきまとい、帰り道や家や会社の前までストーキング行為を繰り返す人が後を絶ちません。過去にはストーカー行為が過剰にヒートアップしてしまい、殺人事件にまで発展した事例が過去にいくつもあります。また、最近はオフラインではなく、SNSなどオンライン上で特定の人に何度もメッセージを送ったり、コメントをするなど、しつこくつきまとうサイバーストーカーを行なう犯罪者も増えています。

個人情報をインターネット上に公開

一般家庭でもインターネットが使用できるようになって以来、特定の個人情報を相手の同意なしにインターネット上に公開する嫌がらせが増えました。最近は、LINEなどメッセージアプリ内でのやりとりのスクリーンショット画像をはじめ、本名や住所、家族などの個人的なことがSNS上に公開されてしまう事件が頻繁に起きています。犯人は、公共の誰でも見ることができるインターネット上にターゲットのプライベートな情報を公開することで、相手を精神的に追い込もうとするのです。

リベンジポルノ

リベンジポルノは、元配偶者や元交際相手が復習や嫌がらせで相手の性的な画像や動画(私事性的画像記録物ともいう)を相手の同意なしにインターネット上などに公表する行為です。加害者は画像を使って被撮影者を脅して復縁を迫り、画像を拡散された相手は精神的に追い込まれていきます。2014年に法律で規制されたものの、いまだに被害が後を絶たない深刻な社会問題の一つにもなっています。

個人情報をもとに金銭的な被害

結婚している場合、配偶者とクレジットカードや銀行口座を共有しているという夫婦も多いですが、離婚してしまった場合は大変です。日本では別れた相手にクレジットカードを勝手に悪用されたり、銀行口座からお金を盗まれたという事件が過去に何度も起きています。

共有している情報の管理は慎重に

たとえ、夫婦やカップルであってもお互いのプライバシーは適切な距離感を保つもの大切です。交際相手とSNSやオンラインサービスのログイン情報などを共有する前に、本当に共有する必要性があるかどうかを一度考えてみるとよいかもしれません。たとえ、家族であってもクレジットカードや銀行口座などの金融情報を共有するのには気をつけましょう。もし、別れた場合は、すぐにパスワードを変更することをおすすめします。

また、「楽しい」や「嬉しい」などという一瞬の気持ちだけで他人に見られて恥ずかしい写真や動画は普段から撮らないようにすることが賢明といえます。相手と別れた場合はもちろんのこと、スマホを無くしてしまった場合やお使いのデバイスがサイバー攻撃を受けてしまうと写真や動画が流出する可能性もあります。

普段からパートナーへの情報共有に関しては、どこからどこまでを共有していいのか非常に難しい問題といえます。たとえ相手を信頼しているとしても、漏洩したら困る各情報の管理は普段から慎重にしておくべきです。

まとめ

今回は、夫婦やカップルが別れた後に起きた情報漏洩による様々な被害例と、共有する情報を管理することの大切さについて解説してきました。今や、スマホやSNSはお互いの距離を縮めるコミュニケーション手段であり、より良い関係を築くためには必要不可欠な存在であります。しかし一方では、別れた相手の個人情報を悪用した犯罪や事件が後を絶ちません。このように特定の誰かとパートナー関係にある場合に共有していた情報はリスクと責任がつきまといます。2人が良好な関係を継続するためには、まず相手と共有している情報を慎重に管理していくことが重要です。そして、やはりお互いを思いやり、尊重する気持ちを忘れないことが幸せな人生とデジタルライフを構築する第一歩といえるでしょう。

個人情報・ID保護機能

もし、オンライン上でお客様の情報が盗まれたことを検知した場合、他の同様のサービスよりも最大10ヶ月早く警告を受けることができます。

FacebookLinkedInTwitterEmailCopy Link

最新情報を入手する

フォローして、マカフィーに関する最新情報を取得して消費者やモバイルのセキュリティ脅威について理解しましょう

FacebookTwitterInstagramLinkedINYouTubeRSS

以下からの詳細: プライバシーと個人情報の保護

Back to top